[革コラム]puレザーは、レザー?
こんにちは。不定期通信の革コラムです。
今回のテーマは、「PUレザーは革なのか?」について。
答えは、革ではありません!
PUレザーとは、ポリウレタン樹脂を使った合成皮革のひとつです。合成皮革は、正式名称で、一般的には、”合皮”なんて言われ方をされていますね。合皮と似たもので、人工皮革というのもあり、それぞれ別のものなのですが、それはまた別の機会に。
「PU “レザー”」と呼ばれると、本革かと勘違いされる方も多くいらっしゃいます。先ほどもお伝えしたように、このPUレザーは合成皮革で、基布と呼ばれる布地にポリウレタン樹脂を貼り付けたもので、革とは全くの別の素材なんです。
合皮の欠点の一つに、”加水分解”というものがあります。加水分解とは、表面のコーティングが、日光、湿度(水分)や摩擦を受けることによって生まれる経年劣化で、表面がひび割れたり、接着剤が露出することをいい、加水分解が始まれば、元に戻すことはできません。
革のカバンと思って買ったのに、ボロボロになってしまった、外装は本革で、内装は合皮のため加水分解が起こってボロボロになってしまった。などといった相談を受けます。本体が本革の場合には、内装の貼り替えが可能ですので、お気軽にご相談下さい。本体が合皮で加水分解が始まってしまったものは修理ができませんので、形が気に入っている、などがあれば、形をコピーして、本革でオーダーメイドも可能です。
ただ、PUレザーのような合皮は、軽量で撥水効果などがありますので、悪いことばかりではありません。撥水という言葉に甘えて、濡れたままにせず、濡れたら乾いた布で拭くなどして、なるべく湿気がたまらないようにする、などして加水分解を遅らせることもできます。
革にも長所短所があるように、合皮にも長所短所があり、それを理解した上で、使っていけるとよいですね。
間違った買い物を防ぐためにも、買う前に恥ずかしがらずに店員さんに聞いてみると良いでしょう。最近は、オンラインショップなどの通販サイトを利用される方も多いと思います。写真だけでは判断できないこともありますので、問い合わせしてみるのも良いですね。
ただ、別の店で買ったものを、ボロボロになったので修理してくれ、というのは、COMOCでも対応しかねますので、ご理解の程よろしくお願いします。